朝日新聞ニュース速報(2001/11/25 01:06)


スペインが米に反旗 軍事法廷ならテロ被疑者移送を拒否


 24日付の米ニューヨーク・タイムズ紙は、スペイン政府が、9月11日の同時多発テロ事件の共犯として拘束しているイスラム過激派8人について、「ブッシュ米大統領が設けた特別軍事法廷で裁く方針を変えない限り、移送を拒否する」との方針を米国に通告した、と報じた。

 同紙は、欧州連合(EU)に加盟するほかの諸国も、同様に米国の特別軍事法廷に反対する可能性があると伝えている。EU各国は死刑制度を廃止しており、この問題もテロリストに死刑宣告も可能な米国への移送のハードルとなりそうだという。

 同紙によると、米側はまだ公式には移送を要請していないものの、すでにスペイン駐在の米連邦捜査局(FBI)代表らが21日、事件の捜査を統括する予審判事と会談した。だが、同判事はこの場で「欧州のどんな国も、軍事法廷にかけられる可能性がある限り、被拘束者を米国に移送することはできない」と言明した。


 スペイン外務省の報道官も、軍事法廷は欧州と同じ水準の公正な法手続きを保証していないと指摘し「移送は不可能だ」と述べた、という。