読売新聞速報(2001年10月10日21:43)


オウム散布の炭疽菌は家畜用ワクチン…米で発表

 【ワシントン9日=館林牧子】1993年7月に東京・亀戸のオウム真理教新東京総本部で炭疽菌が散布された事件で、教団所有の菌の調査にあたった北アリゾナ大は9日までに、菌は家畜のワクチン用に無毒化されたものだったと発表した。オウム真理教の散布では被害がなく、炭疽菌は生物兵器としての効果が薄いとの見方も出たが、同チームでは安易な断定は危険と警鐘を鳴らしている。

 同大のポール・カイム教授らが、日本の国立感染症研究所と共同で、オウム真理教が保管していた炭疽菌を入手、DNAを分析した結果、教団は自然界にある有毒な菌を独自に培養したのではなく、ワクチン用の菌を米国から入手して使っていたことが判明した。同教授らは「菌に対する知識がなかったか、予行演習として無害な菌を散布したのではないか」と見ている。

 この研究結果は、米同時テロの発生以来、米国で生物・化学兵器に対する関心が高まった結果、急きょ発表された。

 オウム公判での検察側論告などによると、オウム真理教の元信者らは1993年、麻原彰晃こと松本智津夫被告(46)の指示で、教団内で培養した炭疽菌を東京都内で散布した。元幹部の法廷供述などで、炭疽菌は、医学関係の研究をしていた信者からワクチン用の菌株を手に入れて培養したことまでは分かっていたが、入手経路などは未解明だった。