ワールドメイトに対する2002年8月30日付け回答




回 答 書


静岡県田方郡大仁町立花3丁目162番地

ワールドメイト

代表役員 栂村繁郎 殿
平成14年8月30日

東京都千代田区麹町4丁目7番地8

地引第2ビル407号 

リンク総合法律事務所

TEL (略)       

FAX (略)       

弁 護 士 紀 藤  正 樹

拝復

貴団体の8月25日付け通知書に対し、以下のとおりご回答します。



1 当職は、問題ある発言については、削除すべきは削除する方針ですが、「掲示板利用の際の注意点」(http://homepage1.nifty.com/kito/notice-bb.htm)にも記載しているとおり、掲示板はあくまでも議論の場であり、議論を通じて真実が深まるというのが基本であると考えますから、第一次的には、まず反論をしていただくことが大切だろうと思っています。

 ニフティ第2次訴訟に関する東京地裁平成13年8月27日付け判決(判例時報1778号90頁)も、「言論による侵害に対しては、言論で対抗するというのが表現の自由(憲法21条1項)の基本原理」であると判示しているところで、この理由付けは、東京高裁(平成14年7月21日付け判決)でも維持されているところです。

 表現の自由は、憲法上の権利の基本であり、当職にも貴団体を批判する表現の自由がありますし、貴団体も当職を批判する表現の自由があります。

 通知書で揚げられている当職の発言に反論がおありであれば、当職のホームページの掲示板に、その旨発言されれば足りると思われ、しかもその反論はきわめて容易です。

 このような容易な努力もなされず、ただちに「当団の名誉を毀損するものであり、到底看過できるものではありません。社会正義の担い手であるべき弁護士としての識見を問われる内容であります」と断じることは、憲法上の権利である表現の自由の重要性を否定されるがごとき見解と言わざるを得ません。公益を目的とする宗教団体としては、より一層憲法上の権利を尊重すべき立場だろうと思います。

 また貴団体が、当職の発言を「当団会員の特徴を『謀略的発想』であると断じ」と評価されている点についても、当職は「ワールドメイトの会員の特徴でしょうか?」と疑問符をつけており、決して断定した記載方法をとっていないことからも、ご主張の前提が誤っております。



2 次に2番目にご指摘の「あ」氏の発言についても、通知書で主張されるご意見をそのまま当職の掲示板に掲載いただければ、その反論も容易です。掲示板での議論を通じて真実の探求に資するというのが、表現の自由の観点からは、本来の掲示板のあり方だろうと思います。

 ちなみに当職のホームページに設置している掲示板は、前述の「掲示板利用の際の注意点」にも記載しているとおり、「よほどのことでもない限り、発言を、制限しないことにしています。それは、市民の良識を信じているからです。議論の正当性は、見る人が見れば、わかります。議論というのは、発言者や批判された人の立場から見るものではありません。その議論を、外から見た人が、どちらが正しいか、と思うことだと思います。それは、学者の集まりである学会だろうが、文壇での論争でも同じです。議論を通じて、そこから真実が、浮かび上がってくるというのが、掲示板のあり方だろうと思います」という精神で運営しており、決して、貴団体の立場や発言を否定するものではありません。あえて当職を批判する発言を削除していないのはその趣旨でもあります。

 ぜひ貴団体の思うところを存分に記載していただければ幸いです。



3 なお「あ」さんの発言に対しては、そもそもワールドメイトに対して責任を負うのは「あ」さんであり、当職は掲示板管理者としての責任しか負わないことも申し添えておきます。ニフティ第1次訴訟の第二審判決である東京高裁平成13年9月5日判決(判例タイムズ1088号94頁)でも、このような管理者としての地位は認められています。

 しかもそもそも貴団体は、ホームページをお持ちです。そちらでも十分反論が可能だと思料されます。現に貴団体は、当該ホームページに、今回の通知書をそのまま掲載されているところです。

 以上、憲法上の表現の自由の重要性を十分御配慮いただき、理性的な対処をしていただければと思っています。



4 ところで現在、当職は、インターネットの匿名性を奇貨として、貴団体の会員の運営する「ワールドメイト被害救済ネットに質問します」と題する匿名のホームページ(http://members.tripod.co.jp/wmshinjitsu/)、当職のホームページに設置している「ワールドメイト問題掲示板」、あるいは2chの掲示板で、あたかも当職が「金儲け」「売名行為」をしているかのごとき誹謗中傷を受けています。中には発言内容の虚偽性だけでなく、ハンドル名を偽るなど人物属性を偽る発言もあります。

 貴団体は当職に対し、通知書のような主張をされる以上、貴団体においても、貴団体の会員に対し、ただちに当職に対する無意味なひぼう中傷行為をやめるよう文書で指導を徹底され、本年9月6日までに、当該文書を当職宛てに送付してくださるようお願い申し上げます。

 逆に貴団体のホームページに顕名で掲げてある8月26日付けの事情説明書に関しては、当職及びその活動に対する正式な反論として拝受し、疑問には答えていきたいと思っていますので、この点はよろしくお願いいたします。



5 なお貴団体が、当職に対し、無謀にも法的措置などを講じられるというなら、当職は、弁護士業務に対する妨害が顕著だとして、日本弁護士連合弁護士業務妨害対策委員会に報告し、また全国の賛同弁護士の協力を得て、あらゆる手段を通じ、貴団体に対し、法的措置などの手段を尽くしていく所存ですので、その旨ご承知おきください。

 ちなみに貴団体では、いかなる理由があっても、会員独自の判断で「びら、ちらし」などの広告さえ出せないこととされており、当職は、上記貴団体の会員のホームページは、当然、貴団体の指示のもと、運営されているものと思料しております。



6 いずれにせよ、貴団体にとっても当職にとっても、憲法上の表現の自由の権利は貴重です。通知書で主張されるような、いたずらに紛争を拡大させる方向ではなく、お互いの権利を尊重する方向での処理を模索していただくようお願いします。

 また当職の担当する他の訴訟案件についても、いたずらに紛争を拡大させずに、ぜひとも冷静な対応をお願いしたいと願っています。サイゾーに対する第一次訴訟が、二度の取下げ、三度の提訴など、特異な経過をたどっていることは万人の認めるところだろうと思います。

 貴団体の8月26日付けの事情説明書によれば、「無論、どのような組織や団体であっても、行き違いや誤解は生じるものです。批判には謙虚に耳を傾け、さらに純粋でよりよい宗教団体に脱皮していきたいと願っております」とされています。

 だとすれば貴団体に対するマスコミやインターネット上の批判、そしてワールドメイト被害救済ネットからの批判等にも謙虚に耳を傾けるとともに、事前に通知書を発して話し合いの場を持つなどの方法を取ることなく、通常の実務からはかけ離れた数千万もの高額の損害額の訴訟を提起し、遠方に在住する元会員ら一般市民までをも困惑させるような紛争解決方法を見直していただき、公益を目的とする宗教団体を標榜される以上、貴団体の活動のあり方として、包容力、鷹揚性をもって対処していただければと思います。



7 最後に、「あ」さんの発言に対しては、事実無根だという貴団体の主張も理解できないわけではありません。したがいまして、本年8月31日までに、当職のホームページ上に、貴団体の通知書及び当職の回答書を掲載したうえで、当該発現は削除させていただくことにします。当職のサイト管理者としての立場上、「あ」さんに対し、発言の削除理由を明確にする必要がありますので、その点、ご容赦ください。

 仮に「あ」さんに、貴団体に対する反論があるなら、真実を調査されたうえで、再反論を待ちたいと思います。

 以上御回答します。

不 一。