今週の注意報
since99/05/01
最終更新02/05/08


「今週」と言っても毎週変更するものではなく、順次、気になったものを追加していく予定です。






TAKE:4 債務一本化という名の詐欺
TAKE:3 古くて新しい言葉―うまい話はない
TAKE:2 ショービジネスは楽しいが、賞ビジネスには要注意!
TAKE:1 定理:マルチ商法=ネットワークビジネス=MLM




UP02/05/07
債務一本化という名の詐欺



 ローンでお困りの方 低金利 債務一本化 ○○ファイナンス
 
 こうした広告を、スポーツ紙、夕刊紙、折込広告、投げ込み広告、公衆電話ボックス、あるいは駅前に止めた自転車のかごなど、どこかで目にしたことがあるだろう。

 しかしよく考えてほしい。そもそもサラ金会社からも、お金を貸してくれなくなった人に、いったい誰が貸してくれるだろう。そんなうまい話があるわけがない。

 実は、こうした「債務一本化」業者(整理屋とも言われる)には、いくつかバリエーションがあり、いずれも詐欺ないし詐欺まがいと評してよいものだ。


1 紹介屋
 債務者から債務の内容を詳しく聞き出した後で、「審査したが自分のところでは融資できない」「別のところを紹介する」と称して(マニュアルどおりの対応であるところがみそ)、別の高利の貸し金業者(街金)を紹介して、紹介料をかせぐ。
 紹介料は、たとえば融資額の40パーセントなど(つまり10万円の融資を受けても、4万円は紹介料となる)、法外な料金を取り、債務者は、紹介料をとられたうえ、あらたな高利の債務に、さらに苦しむことになる。

 紹介業者と、別の高利業者が裏でつながっている場合も多く、こうした「悪のネットワーク」を称して、システム金融という場合もある。


2 買取屋
 同じく債務者から債務の内容を詳しく聞き出した後で、「審査したが自分のところでは融資できない」「こうすればお金ができる」と称し(これもマニュアルどおりの対応)、クレジットカードやローンで、バッタ屋などから、買えるだけの商品を買いまくらせ、それを買い取るという名目で、お金を提供する。
 債務者は、お金は手にするが、後に来るクレジットやローンの代金でさらに苦しむことになる。

 客観的に見て、債務者の行為は、明らかに「取り込み詐欺」の手口であり(買取屋も共犯)、後で自己破産しても免責を得にくくなってしまう。債務者は、どの沼にはまることになる。


3 悪徳弁護士を紹介する。
 債務者から債務の内容を詳しく聞き出した後で、「審査したがもう無理だ」「弁護士を紹介する」と称して、弁護士を紹介して、債務者からあるいは弁護士から紹介料をかせぐ。もちろん業者と弁護士の実態が一緒ということもある。
 
 弁護士が、弁護士を紹介する業者と提携することは、弁護士法27条に違反して違法であるうえ、犯罪である(弁護士法77条。こうした弁護士は「提携弁護士」と呼ばれる)。
 そもそもこうした違法なことに手を染める弁護士が信頼できるわけがない。弁護士費用だけ取られて、債務は減らないという悪循環に陥る結果となる。
 提携弁護士の中には、既に逮捕された弁護士もいる。夜逃げした弁護士もいる。

 
 つまり「債務一本化」の広告を打つ業者は、暗闇の中で光を見た多重債務者を釣る「つりえさ」のようなもので、借金取りに負われた多重債務者が、食いつけば、骨までしゃぶろうという、ハイエナのような業者なのだ。だまされてはいけません。

 多重債務で苦しむ人は、手遅れになる前に、すぐに弁護士会に相談するのが一番妥当なのだ。もちろん各弁護士会では、多重債務に関する「専門の相談窓口」を有している。
 もちろん専門の弁護士が対応する。無料の電話相談もやっている弁護士会もある(第二東京弁護士会など)。
 前回も触れたが、世の中にうまい話はない。

 どの沼にはまる前に、今一度、この言葉をかみしめてほしい。


参考
多重債務に関する専門の相談窓口(提供:第二東京弁護士会
各地の弁護士会については、全国の弁護士会の電話番号参照。

多重債務者の手記と問題点(提供:東京弁護士会
悪質業者(提供:大阪府)
悪質業者に気をつけて(提供):宮城県)


破産法
第三百六十六条ノ九  裁判所ハ左ノ場合ニ限リ免責不許可ノ決定ヲ為スコトヲ得
 一  破産者ニ第三百七十四条、第三百七十五条、第三百七十七条又ハ第三百八十二条ノ罪ニ該ルベキ行為アリト認ムルトキ
 二  破産者ガ破産宣告前一年内ニ破産ノ原因タル事実アルニ拘ラズ其ノ事実ナキコトヲ信ゼシムル為詐術ヲ用ヒテ信用取引ニ因リ財産ヲ取得シタルコトアルトキ
 三  破産者ガ虚偽ノ債権者名簿ヲ提出シ又ハ裁判所ニ対シ其ノ財産状態ニ付虚偽ノ陳述ヲ為シタルトキ
 四  破産者ガ免責ノ申立前十年内ニ免責ヲ得タルコトアルトキ
 五  破産者ガ本法ニ定ムル破産者ノ義務ニ違反シタルトキ

第三百七十四条  債務者破産宣告ノ前後ヲ問ハス自己若ハ他人ノ利益ヲ図リ又ハ債権者ヲ害スル目的ヲ以テ左ニ掲クル行為ヲ為シ其ノ宣告確定シタルトキハ詐欺破産ノ罪ト為シ十年以下ノ懲役ニ処ス
 一  破産財団ニ属スル財産ヲ隠匿、毀棄又ハ債権者ノ不利益ニ処分スルコト
 二  破産財団ノ負担ヲ虚偽ニ増加スルコト
 三  法律ノ規定ニ依リ作ルヘキ商業帳簿ヲ作ラス、之ニ財産ノ現況ヲ知ルニ足ルヘキ記載ヲ為サス又ハ不正ノ記載ヲ為シ又ハ之ヲ隠匿若ハ毀棄スルコト
 四  第百八十七条ノ規定ニ依リ裁判所書記官カ閉鎖シタル帳簿ニ変更ヲ加ヘ又ハ之ヲ隠匿若ハ毀棄スルコト

第三百七十五条  債務者破産宣告ノ前後ヲ問ハス左ニ掲クル行為ヲ為シ其ノ宣告確定シタルトキハ五年以下ノ懲役又ハ三十万円以下ノ罰金ニ処ス
 一  浪費又ハ賭博其ノ他ノ射倖行為ヲ為シ因テ著ク財産ヲ減少シ又ハ過大ノ債務ヲ負担スルコト
 二  破産ノ宣告ヲ遅延セシムル目的ヲ以テ著ク不利益ナル条件ニテ債務ヲ負担シ又ハ信用取引ニ因リ商品ヲ買入レ著ク不利益ナル条件ニテ之ヲ処分スルコト
 三  破産ノ原因タル事実アルコトヲ知ルニ拘ラス或債権者ニ特別ノ利益ヲ与フル目的ヲ以テ為シタル担保ノ供与又ハ債務ノ消滅ニ関スル行為ニシテ債務者ノ義務ニ属セス又ハ其ノ方法若ハ時期カ債務者ノ義務ニ属セサルモノ
 四  法律ノ規定ニ依リ作ルヘキ商業帳簿ヲ作ラス、之ニ財産ノ現況ヲ知ルニ足ルヘキ記載ヲ為サス又ハ不正ノ記載ヲ為シ又ハ之ヲ隠匿若ハ毀棄スルコト
 五  第百八十七条ノ規定ニ依リ裁判所書記官カ閉鎖シタル帳簿ニ変更ヲ加ヘ又ハ之ヲ隠匿若ハ毀棄スルコト

第三百七十七条  本法ニ依リ監守ヲ命セラレタル者逃走シ又ハ裁判所ノ許可ヲ得スシテ外人ト面接若ハ通信シタルトキハ一年以下ノ懲役又ハ五万円以下ノ罰金ニ処ス
 ○2 破産者裁判所ノ許可ヲ得スシテ居住地ヲ離レタルトキ罰前項ニ同シ

第三百八十二条  第百五十三条ノ規定ニ依リ説明ノ義務アル者故ナク説明ヲ為サス又ハ虚偽ノ説明ヲ為シタルトキハ一年以下ノ懲役又ハ五万円以下ノ罰金ニ処ス
 ○2 前項ノ罪ヲ犯シタル者破産裁判所ニ其ノ事実ヲ申出テタルトキハ其ノ刑ヲ減軽又ハ免除スルコトヲ得


弁護士法
(非弁護士との提携の禁止)
第二十七条  弁護士は、第七十二条乃至第七十四条の規定に違反する者から事件の周旋を受け、又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない。

(非弁護士の法律事務の取扱等の禁止)
第七十二条  弁護士でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又は
これらの周旋をすることを業とすることができない。但し、この法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

(譲り受けた権利の実行を業とすることの禁止)
第七十三条  何人も、他人の権利を譲り受けて、訴訟、調停、和解その他の手段によつて、その権利の実行をすることを業とすることができない。

(非弁護士の虚偽標示等の禁止)
第七十四条  弁護士でない者は、弁護士又は法律事務所の標示又は記載をしてはならない。
 2  弁護士でない者は、利益を得る目的で、法律相談その他法律事務を取り扱う旨の標示又は記載をしてはならない。

(非弁護士の法律事務取扱等の罪)
第七十七条  第二十七条、第二十八条、第七十二条又は第七十三条の規定に違反した者は、
二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。








UP01/01/13
古くて新しい言葉―うまい話はない



 買えば買うほど儲かると称して、消費者から多額の資金を出させたKKC(経済革命倶楽部)、子牛を買って育てて売れば儲かると称した和牛預託商法、ベンチャー企業に投資すれば儲かるなどと称したエンジェルファンドネットワーク、古くは戦後最大の消費者被害事件の豊田商事も、金を買って預けておくだけで、高額の利子が得られると説いていた。

 儲け話ばかりではない。

 「簡単な勉強で資格が取れる」
 「すぐにやせる」」
 「美しくなる」
 「病気が治る」
 などなど・・・・・
 
 「消費者被害を防ぐにはどうしたら」とよく聞かれるが、結局昔から伝えられてきた「うまい話はない」という言葉が大切だ。逆に言えば、世の中、インスタントにうまく行くなんてことはそうそうなく、日々の努力が大切だということだ。

 でもこの努力、そんなに簡単なことではない。僕も日々苦しみながら(^^;格闘している。
 努力はつらいが、人生は谷あり山あり、死ぬ時に、「ああ幸せだった」と思える人生を送りたいと思っている。







UP99/06/05
ショービジネスは楽しいが、賞ビジネスには要注意!



 突然送られてくる「文化功労賞」受賞のお知らせ。会の顧問は有名人。過去の受賞者にも有名人がずらり。でも会の担当者から連絡が来て、よく話しを聞いてみると、実際はパーティー会場の予約や審査員の宿泊費用などは、すべて、こちら持ち。経費のあまりは会の資金となる。

 こういった商法を、僕は、「賞ビジネス」と呼んでいる。

 でも世の中はよくしたもので、金で買える賞でもほしいと思う輩もたくさんいて、詐欺師ほど、こうした飾りをつけたがる。

 ちなみに詐欺の容疑で逮捕起訴され、一審で実刑判決を受けたKKC(経済革命倶楽部)の山本一郎会長は、1996年3月8日に、韓国ソウルのロッテホテルで、ケネディ大統領が提唱したとされる「ピースコープ世界平和賞」を受賞したと称していたし、法の華三法行の福永法源教組も、ガンジー平和賞を受賞したと称していた。

 いずれも実態のない賞であり、勝手に有名人の名前を使っているだけの賞。僕だって適当に団体をでっち上げて、クリントン大統領に第1回の賞をあげ、2回目は僕がもらって、権威付けをするっていうこともできたりする。

 要するに、賞を取っている人だからといって、それだけでその人に価値があるということではないことに、注意すべきだ。




 




UP99/05/01
マルチ商法=ネットワークビジネス=MLM
これらは全て同じものです。



 マルチ商法とは、米国で、マルチ・レベル・マーケッテッィング・システム(multi-level marketing system) とか、マルチ・レベル・マーケッティング・プラン(multi-level marketing plan)といった英語を翻訳したもので、直訳すれば、多段階販売方式、法律上の言葉としては「連鎖販売取引」となる。

 つまりMLM=マルチ商法=連鎖販売取引という式が成り立つ。

 そしてマルチ商法業者自身が、MLM=ネットワークビジネスなんて主張しているのだから、この定理が成り立つことは明らかだ。






~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~