「支払い義務のない父親に対し督促をした信販会社に、100万円の慰謝料支払を命じた判 決」
ココ山岡被害対策札幌弁護団の事務局長をしている弁護士中村誠也氏の報告です。
nakamura@sapporo-law.com
裁判所 札幌地方裁判所
裁判官 片山良廣
訴訟提起 平成10年3月26日
判決言渡日 平成11年3月24日
被告 東京総合信用株式会社
本件は、ココ山岡の買い戻し商法の被害者が、弁護団に大手信販会社である東京総合信用に対するクレジット代金の支払い拒絶の通知を委任し、弁護団が受任及び支払
拒絶の通知をしたところ、東総信が、支払義務のない、本人の父親に対し、二度に渡 り督促状を送付した、という事案です。
この父親は、本人がクレジット申込の際、申込書に「参考」としてその名前を書かされたもので、連帯保証人ではありません。
悪質な事例であるとの判断から、ココ山岡被害対策札幌弁護団では、本人について は父親にココ山岡の件を知られてしまった精神的損害として50万円、父親について
は理由もなく督促を受けた損害として50万円、合計100万円の慰謝料請求の訴訟 を提起しました。
訴訟の中で、東総信は、誤って父親を社内コンピュータに連帯保証人として登録し たことは認めたものの、その後調査をしている間に自動的に督促状が発送されてし
まったもので、その対応に違法性はなく、また、損害を生じてはいない、と主張しま した。
しかし札幌地方裁判所は、「被告のような大手の信販会社にとってはあってはなら ないこと」、「督促書面が送付されることの重大性を認識していない」、「信販会社
の姿勢として問題がある」と論じ、本人に50万円、父親に50万円という、原告の 請求を全面的に認める判決を下しました(平成11年3月24日)。
通達にある「義務なき者への支払請求の禁止」が、現実には多くの業者により行な わ れているという実態があるなか、本件判決の意義は大きいと思われます。また、督促書面が2度送付された、という本件行為について、脅迫あるいは暴力的
な取立行為は伴わない事案であるにもかかわらず、請求通りの慰謝料全額が認められ たことは、その抑止的効果の面からも大きな意味を持つ判決であると考えます。