#0001 ◎薬局経営者らに逮捕状  青森県警が霊視商法摘発  青森発  96.03.07
  共同   版 面 段 465文字 KY99518 共S079社会0052 02完

 青森県警生活安全部と青森署は七日、「悪霊を取り除く」など言って除霊名目に法外な金をだまし取っていたとして、詐欺容疑で青森市古川一ノ一五ノ一〇「宝冠堂薬局」の経営者(34)ら二人の逮捕状を取り、同薬局をはじめ経営者の立ち寄り先の千葉県、静岡県など数十カ所を家宅捜索した。

 調べでは、経営者らは平成六年に同薬局を設立した直後から、チラシや電話帳などで「難病、奇病に専任薬剤師が指導・霊視」などと宣伝。同年九月ごろ、訪れた青森県内の女性客に「悪霊が取り付いており、除霊が必要だ」などとして、祈とう代に数百万円をだまし取った疑い。 

 同薬局は法人格を持っていないが、宗教団体を名乗り活動していたことから、被害者は数百人に上るとみられている。同県警は大掛かりな霊視商法詐欺事件とみて裏付けを急いでいる。

 霊視商法による詐欺事件としては、愛知県警が宗教法人明覚寺系列の満願寺(名古屋市)の僧りょらを摘発している。

#0002 ◎教祖ら2人を再逮捕  青森の霊視商法詐欺事件  青森発   96.03.28
  共同   版 面 段 527文字 KY38649 共S104社会0145 02完

 青森市の薬局を舞台にした霊視商法詐欺事件を捜査している青森県警生活保安課と青森署は二十八日、詐欺の疑いで静岡県伊東市富戸一三一七ノ三五四七、職業不詳金井敬治(47)と青森市石江岡部一五七ノ一五、薬剤師一林克昌(35)の二容疑者を再逮捕した。

 調べによると、二人は共謀して「釜焚き(かまたき)」と称する儀式で病気を治すなどとして金をだまし取ろうと計画。一九九五年十月三十日ごろ、一林容疑者が経営する青森市内の「宝冠堂薬局」を訪れた同市内の男性(60)に「父親の霊を取り除かないと、病気は一生良くならない。釜焚きを受ければ、霊が成仏して病気は治る」などと言って治療効果がないのに同儀式をし、代金として二百万円をだまし取った疑い。

 これまでの調べに対し、一林容疑者は容疑を認めているが、教祖役を担っていたとされる金井容疑者は否認しているという。

 青森地検は二十八日、釜焚きで病気を治すよう装って青森県内の男性から百万円をだまし取ったとして、詐欺罪で金井、一林両容疑者をそれぞれ起訴した。