相談をされる場合の注意点
最終更新09/02/11
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1 法律相談の正確性

 法律相談には、有料のものと、無料のものがあります。
 また電話やインターネットなど、通信で相談できるものと、面談で行うものがあります。
 そのうち電話やインターネットで行う相談の多くは、無料の相談となるのが普通でしょう。
 ところで、電話やインターネットで行う相談の場合、当然具体的な資料を見ながら相談に応ずることはできませんので、
 答えも仮定的・想定的なものとなるのが普通です。

 ですからごくごく簡単な相談ならともかく、電話やインターネットを通じた法律相談の正確さは、面談による正確さにかなわないことをよく理解してください。


2 インターネット経由の法律相談の危うさ

 次に電話とインターネットによる相談の違いもよく知っておいてください。電話は、双方向性の点から、インターネットより、より面談による相談に近いものです。ところが、インターネットによる相談の場合、相談者が、一方的にメールで送ってくるものです。

 法律的結論は、事実によって変わります。正しい法律的評価は、正確な事実が前提に必要です。

 ところが相談者の多くは、まず自分が重要だと考える事実に基づいて相談してきます。相談者は当然法律的に素人ですから、事実を法律的観点から整理する力はありません。面談による相談だと、弁護士の方で、重要だと思われる事実について、相談者の相談の内容から、事実を確認・補充する作業ができますが、メールでの作業はそう行った作業に困難が伴います。

 ですからインターネットによる相談は、電話による相談よりも、正確さに劣る場合があることについて、よく理解しておいてください。インターネットの利用者には、この点の誤解もあるようですので、ご注意下さい。

 ちなみに僕が弁護団長をつとめる
インターネット消費者被害対策弁護団(LICP)では、メールでの相談の欠点を無視することができず、無料で電話相談するなどの対応をしています。LICP宛てにご相談になりたい方はまずメールで、ご一報下さい。


3 有料の相談と無料の相談

 面談による相談にも、有料のものと、無料のものがあります。また面談をした弁護士に受任義務があるものと、受任義務はないものの直受といって直接受任ができるもの、そもそも相談だけで、直接受任を禁じられているものなどがあります。

 直接受任を禁じられている場合、相談を受けた弁護士が、これは弁護士が入らないとまずいと判断した場合には、別の相談窓口を紹介することになります。

 多くの市町村では、弁護士による無料の法律相談を行っています。ただ直接受任を禁じられている場合が多く、その場合には弁護士会を紹介されるだけで 二度手間(別の弁護士に一から同じことを話さなくてはならなくなる)になることもあります。


4 法律相談の値段

 弁護士に相談する場合は、弁護士会の基準により、原則として初回相談は、30分あたり、5000円と消費税と決められています。

 僕はいろんなところでお話するのですが、 法律相談料は、占いなどと比べても、決して高額ではないと思います。

 ですから僕は、占いに頼るくらいなら、できるだけ資料を用意され、弁護士の面談による相談をされることをすすめます。その際、事情を年表風に、箇条書きにしたものなど、説明資料があれば、非常に弁護士は助かります。

 
法律相談は、事実を聞き取る作業とこれに法的評価を加える作業の二つの作業が必要ですが、資料をご用意いただくと、事実を聞き取る作業が短時間ですみますので、より正確な相談を受けられることになります。


5 面談による法律相談の方法

 弁護士の知り合いがない方でも、各都道府県に最低一つの弁護士会があります。全ての弁護士会が、会主催の法律相談を実施しています。

 地元の弁護士会の電話番号は、104で調べればわかりますし、こちらのページでも網羅的に掲載しています。

 相談の方法は、会ごとに違いますので、まずお電話で相談の方法をもよりの弁護士会にご相談下さい。予約が必要な会もあります。また消費者相談、離婚相談など、相談の種類ごとに窓口を分けている会もあります。

 一度法律相談を受けていただくと、相談に応じた弁護士と知り合いになることで、次からは直接電話をかけるなどして、相談しやすくなることもあります

 
弁護士には、守秘義務があります。安心してご相談ください。