公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律
(いわゆる「あっせん利得処罰法」)

(平成十二年十一月二十九日法律第百三十号)
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(公職者あっせん利得)
第一条  衆議院議員、参議院議員又は地方公共団体の議会の議員若しくは長(以下「公職にある者」という。)が、国若しくは地方公共団体が締結する売買、貸借、請負その他の契約又は特定の者に対する行政庁の処分に関し、請託を受けて、その権限に基づく影響力を行使して公務員にその職務上の行為をさせるように、又はさせないようにあっせんをすること又はしたことにつき、その報酬として財産上の利益を収受したときは、三年以下の懲役に処する。
 2  公職にある者が、国又は地方公共団体が資本金の二分の一以上を出資している法人が締結する売買、貸借、請負その他の契約に関し、請託を受けて、その権限に基づく影響力を行使して当該法人の役員又は職員にその職務上の行為をさせるように、又はさせないようにあっせんをすること又はしたことにつき、その報酬として財産上の利益を収受したときも、前項と同様とする。


(議員秘書あっせん利得)
第二条  衆議院議員又は参議院議員の秘書(国会法 (昭和二十二年法律第七十九号)第百三十二条 に規定する秘書をいう。以下同じ。)が、国若しくは地方公共団体が締結する売買、貸借、請負その他の契約又は特定の者に対する行政庁の処分に関し、請託を受けて、当該衆議院議員又は当該参議院議員の権限に基づく影響力を行使して公務員にその職務上の行為をさせるように、又はさせないようにあっせんをすること又はしたことにつき、その報酬として財産上の利益を収受したときは、二年以下の懲役に処する。
 2  衆議院議員又は参議院議員の秘書が、国又は地方公共団体が資本金の二分の一以上を出資している法人が締結する売買、貸借、請負その他の契約に関し、請託を受けて、当該衆議院議員又は当該参議院議員の権限に基づく影響力を行使して当該法人の役員又は職員にその職務上の行為をさせるように、又はさせないようにあっせんをすること又はしたことにつき、その報酬として財産上の利益を収受したときも、前項と同様とする。


参考:国会法
第百三十二条  各議員に、その職務の遂行を補佐する秘書二人を付する。
○2  前項に定めるもののほか、
主として議員の政策立案及び立法活動を補佐する秘書一人を付することができる。



(没収及び追徴)
第三条  前二条の場合において、犯人が収受した財産上の利益は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。


(利益供与)
第四条  第一条又は第二条の財産上の利益を供与した者は、一年以下の懲役又は二百五十万円以下の罰金に処する。


(国外犯)
第五条  第一条及び第二条の罪は、刑法 (明治四十年法律第四十五号)第四条 の例に従う。


参考: 刑法
(公務員の国外犯)
第四条  
この法律は、日本国外において次に掲げる罪を犯した日本国の公務員に適用する。
 一  第百一条(看守者等による逃走援助)の罪及びその未遂罪
 二  第百五十六条(虚偽公文書作成等)の罪
 三  第百九十三条(公務員職権濫用)、第百九十五条第二項(特別公務員暴行陵虐)及び第百九十七条から第百九十七条の四まで(収賄、受託収賄及び事前収賄、第三者供賄、加重収賄及び事後収賄、あっせん収賄)の罪並びに第百九十五条第二項の罪に係る第百九十六条(特別公務員職権濫用等致死傷)の罪



(適用上の注意)
第六条  この法律の適用に当たっては、公職にある者の政治活動を不当に妨げることのないように留意しなければならない。

附則 抄


(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して三月を経過した日から施行する。










参考:刑法
こちらが本体で、あっせん利得処罰法は接木ということになります。
こうした本体と接木の関係を、法律家は、前者を「一般法」、後者を「特別法」と言っています。
接木法と言う方がわかりやすいのにね(笑)。


(収賄、受託収賄及び事前収賄)
第百九十七条  公務員又は仲裁人が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役に処する。この場合において、請託を受けたときは、七年以下の懲役に処する。
 2  公務員又は仲裁人になろうとする者が、その担当すべき職務に関し、請託を受けて、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、公務員又は仲裁人となった場合において、五年以下の懲役に処する。


(第三者供賄)
第百九十七条の二  公務員又は仲裁人が、その職務に関し、請託を受けて、第三者に賄賂を供与させ、又はその供与の要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役に処する。


(加重収賄及び事後収賄)
第百九十七条の三  公務員又は仲裁人が前二条の罪を犯し、よって不正な行為をし、又は相当の行為をしなかったときは、一年以上の有期懲役に処する。
 2  公務員又は仲裁人が、その職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、若しくはその要求若しくは約束をし、又は第三者にこれを供与させ、若しくはその供与の要求若しくは約束をしたときも、前項と同様とする。
 3  公務員又は仲裁人であった者が、その在職中に請託を受けて職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役に処する。


(あっせん収賄)
第百九十七条の四  公務員が請託を受け、他の公務員に職務上不正な行為をさせるように、又は相当の行為をさせないようにあっせんをすること又はしたことの報酬として、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役に処する。


(没収及び追徴)
第百九十七条の五  犯人又は情を知った第三者が収受した賄賂は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。