弁護士法
(昭和二十四年六月十日法律第二百五号)
最終改正:平成一三年六月八日法律第四一号
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弁護士法(昭和八年法律第五十三号)の全部を改正する。


 第一章 弁護士の使命及び職務(第一条―第三条)
 第二章 弁護士の資格(第四条―第七条)
 第三章 弁護士名簿(第八条―第十九条)
 第四章 弁護士の権利及び義務(第二十条―第三十条)
 第五章 弁護士会(第三十一条―第四十四条)
 第六章 日本弁護士連合会(第四十五条―第五十条)
 第七章 資格審査会(第五十一条―第五十五条)
 第八章 懲戒(第五十六条―第六十四条)
 第九章 懲戒委員会及び綱紀委員会(第六十五条―第七十一条)
 第十章 法律事務の取扱に関する取締(第七十二条―第七十四条)
 第十一章 罰則(第七十五条―第七十九条)
 附則(第八十条―第九十二条)

第一章 弁護士の使命及び職務

(弁護士の使命)
第一条  弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。
 2  弁護士は、前項の使命に基き、誠実にその職務を行い、社会秩序の維持及び法律制度の改善に努力しなければならない。


(弁護士の職責の根本基準)
第二条  弁護士は、常に深い教養の保持と高い品性の陶やに努め、法令及び法律事務に精通しなければならない。


(弁護士の職務)
第三条  弁護士は、当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱によつて、訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件に関する行為その他一般の法律事務を行うことを職務とする。
 2  弁護士は、当然、弁理士及び税理士の事務を行うことができる。


第二章 弁護士の資格

(弁護士の資格)
第四条  司法修習生の修習を終えた者は、弁護士となる資格を有する。


(弁護士の資格の特例)
第五条  左に掲げる者は、前条の規定にかかわらず、弁護士となる資格を有する。
 一  最高裁判所の裁判官の職に在つた者。
 二  司法修習生となる資格を得た後、五年以上簡易裁判所判事、検察官、裁判所調査官、裁判所事務官、法務事務官、司法研修所、裁判所書記官研修所若しくは法務省設置法 (平成十一年法律第九十三号)第四条第三十六号 又は第三十八号 の事務をつかさどる機関で政令で定めるものの教官、衆議院若しくは参議院の法制局参事又は内閣法 制局参事官の職に在つた者。
 三  五年以上別に法律で定める大学の学部、専攻科又は大学院において法律学の教授又は助教授の職に在つた者。
 四  前二号に掲げる職の二以上に在つて、その年数を通算して五年以上となる者。但し、第二号に掲げる職については、司法修習生となる資格を得た後の在職年数に限る。


(弁護士の欠格事由)
第六条  次に掲げる者は、前二条の規定にかかわらず、弁護士となる資格を有しない。
 一  禁錮以上の刑に処せられた者。
 二  弾劾裁判所の罷免の裁判を受けた者。
 三  懲戒の処分により、弁護士若しくは外国法事務弁護士であつて除名され、弁理士であつて業務を禁止され、公認会計士であつて登録をまつ消され、税理士であつて業務を禁止され、又は公務員であつて免職され、その処分を受けた日から三年を経過しない者。
 四  成年被後見人又は被保佐人
 五  破産者であつて復権を得ない者。


第七条  削除


第三章 弁護士名簿

(弁護士の登録)
第八条  弁護士となるには、日本弁護士連合会に備えた弁護士名簿に登録されなければならない。


(登録の請求)
第九条  弁護士となるには、入会しようとする弁護士会を経て、日本弁護士連合会に登録の請求をしなければならない。


(登録換の請求)
第十条  弁護士は、所属弁護士会を変更するには、新たに入会しようとする弁護士会を経て、日本弁護士連合会に登録換の請求をしなければならない。
 2  弁護士は、登録換の請求をする場合には、所属弁護士会にその旨を届け出なければならない。


(登録取消の請求)
第十一条  弁護士がその業務をやめようとするときは、所属弁護士会を経て、日本弁護士連合会に登録取消の請求をしなければならない。


(登録又は登録換の請求の進達の拒絶)
第十二条  弁護士会は、弁護士会の秩序若しくは信用を害する虞がある者又は左の場合に該当し弁護士の職務を行わせることがその適正を欠く虞がある者について、資格審査会の議決に基き、登録又は登録換の請求の進達を拒絶することができる。
 一  心身に故障があるとき。
 二  第六条第三号にあたる者が、除名、業務禁止、登録まつ消又は免職の処分を受けた日から三年を経過して請求したとき。
 2  登録又は登録換の請求前一年以内に当該弁護士会の地域内において常時勤務を要する公務員であつた者で、その地域内において弁護士の職務を行わせることが特にその適正を欠く虞があるものについてもまた前項と同様とする。
 3  弁護士会は、前二項の規定により請求の進達を拒絶する場合には、登録又は登録換えを請求した者に、速やかに、その旨及びその理由を書面により通知しなければならない。
 4  弁護士会が登録又は登録換えの請求の進達を求められた後三箇月を経てもなお日本弁護士連合会にその進達をしないときは、その登録又は登録換えの請求をした者は、その登録又は登録換えの請求の進達を拒絶されたものとみなし、行政不服審査法 (昭和三十七年法律第百六十号)による審査請求をすることができる。


第十二条の二  日本弁護士連合会は、前条の規定による登録又は登録換えの進達の拒絶についての行政不服審査法 による審査請求(同条第四項の規定による審査請求を含む。)に対して裁決をする場合には、資格審査会の議決に基づかなければならない。
 2  日本弁護士連合会は、前項の審査請求に理由があると認めるときは、弁護士会に対し登録又は登録換えの請求の進達を命じなければならない。


(弁護士会による登録取消しの請求)
第十三条  弁護士会は、弁護士が第十二条第一項第一号、第二号及び第二項に掲げる事項について虚偽の申告をしていたとき、又は心身の故障により弁護士の職務を行わせることがその適正を欠くおそれがあるときは、資格審査会の議決に基き、日本弁護士連合会に登録取消しの請求をすることができる。
 2  弁護士会は、前項の請求をした場合には、その弁護士に、速やかに、その旨及びその理由を書面により通知しなければならない。


第十四条  前条の規定により登録取消の請求をされた者は、その通知を受けた日の翌日から起算して六十日以内に日本弁護士連合会に異議を申し出ることができる。
 2  日本弁護士連合会は、前項の申出を受けた場合においては、資格審査会の議決に基き、その申出に理由があると認めるときは、弁護士会に登録取消の請求を差し戻し、その申出に理由がないと認めるときは、これを棄却しなければならない。
 3  日本弁護士連合会は、前項の処分をした場合には、異議の申出をした者に、速やかに、その旨及びその理由を書面により通知しなければならない。


(登録及び登録換の拒絶)
第十五条  日本弁護士連合会は、弁護士会から登録及び登録換の請求の進達を受けた場合において、第十二条第一項又は第二項に掲げる事由があつて登録又は登録換を拒絶することを相当と認めるときは、資格審査会の議決に基き、その登録又は登録換を拒絶することができる。
 2  日本弁護士連合会は、前項の規定により登録又は登録換えを拒絶する場合には、登録又は登録換えを請求した者及びこれを進達した弁護士会に、速やかに、その旨及びその理由を書面により通知しなければならない。


(訴えの提起)
第十六条  第十二条の規定による登録若しくは登録換えの請求の進達の拒絶についての審査請求を却下され若しくは棄却され、第十四条第一項の規定による異議の申出を棄却され、又は前条の規定により登録若しくは登録換えを拒絶された者は、東京高等裁判所にその取消しの訴えを提起することができる。
 2  日本弁護士連合会が第十二条の規定による登録若しくは登録換えの請求の進達の拒絶についての審査請求若しくは第十四条第一項の規定による異議の申出を受けた後三箇月を経てもなお裁決若しくは第十四条第二項の処分をせず、又は登録若しくは登録換えの請求の進達を受けた後三箇月を経てもなお弁護士名簿に登録若しくは登録換えをしないときは、審査請求若しくは異議の申出をし、又は登録若しくは登録換えの請求をした者は、その審査請求若しくは異議の申出を棄却され、又は登録若しくは登録換えを拒絶されたものとみなし、前項の訴えを提起することができる。
 3  登録又は登録換えの請求の進達の拒絶に関しては、これについての日本弁護士連合会の裁決に対してのみ、取消しの訴えを提起することができる。


(登録取消の事由)
第十七条  日本弁護士連合会は、左の場合においては、弁護士名簿の登録を取り消さなければならない。
 一  弁護士が第六条第一号及び第三号乃至第五号の一に該当するに至つたとき。
 二  弁護士が第十一条の規定により登録取消の請求をしたとき。
 三  弁護士について退会命令、除名又は第十三条の規定による登録取消が確定したとき。
 四  弁護士が死亡したとき。


(登録取消の事由の報告)
第十八条  弁護士会は、所属の弁護士に弁護士名簿の登録取消の事由があると認めるときは、日本弁護士連合会に、すみやかに、その旨を報告しなければならない。


(登録等の通知及び公告)
第十九条  弁護士名簿の登録、登録換及び登録取消は、すみやかに、日本弁護士連合会から当該弁護士の所属弁護士会に通知し、且つ、官報をもつて公告しなければならない。


第四章 弁護士の権利及び義務

(法律事務所)
第二十条  弁護士の事務所は、法律事務所と称する。
 2  法律事務所は、その弁護士の所属弁護士会の地域内に設けなければならない。
 3  弁護士は、いかなる名義をもつてしても、二箇以上の法律事務所を設けることができない。但し、他の弁護士の法律事務所において執務することを妨げない。


(法律事務所の届出義務)
第二十一条  弁護士が法律事務所を設け、又はこれを移転したときは、直ちに、所属弁護士会及び日本弁護士連合会に届け出なければならない。


(会則を守る義務)
第二十二条  弁護士は、所属弁護士会及び日本弁護士連合会の会則を守らなければならない。


(秘密保持の権利及び義務)
第二十三条  弁護士又は弁護士であつた者は、その職務上知り得た秘密を保持する権利を有し、義務を負う。但し、法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。


(報告の請求)
第二十三条の二  弁護士は、受任している事件について、所属弁護士会に対し、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることを申し出ることができる。申出があつた場合において、当該弁護士会は、その申出が適当でないと認めるときは、これを拒絶することができる。
 2  弁護士会は、前項の規定による申出に基き、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。


(委嘱事項等を行う義務)
第二十四条  弁護士は、正当の理由がなければ、法令により官公署の委嘱した事項及び会則の定めるところにより所属弁護士会又は日本弁護士連合会の指定した事項を行うことを辞することができない。


(職務を行い得ない事件)
第二十五条  弁護士は、左に掲げる事件については、その職務を行つてはならない。但し、第三号に掲げる事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合は、この限りでない。
 一  相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件。
 二  相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基くと認められるもの。
 三  受任している事件の相手方からの依頼による他の事件。
 四  公務員として職務上取り扱つた事件。
 五  仲裁手続により仲裁人として取り扱つた事件。


(汚職行為の禁止)
第二十六条  弁護士は、受任している事件に関し相手方から利益を受け、又はこれを要求し、若しくは約束してはならない。


(非弁護士との提携の禁止)
第二十七条  弁護士は、第七十二条乃至第七十四条の規定に違反する者から事件の周旋を受け、又はこれらの者に自己の名義を利用させてはならない。


(係争権利の譲受の禁止)
第二十八条  弁護士は、係争権利を譲り受けることができない。


(依頼不承諾の通知義務)
第二十九条  弁護士は、事件の依頼を承諾しないときは、依頼者に、すみやかに、その旨を通知しなければならない。


(兼職及び営業等の制限)
第三十条  弁護士は、報酬ある公職を兼ねることができない。ただし、衆議院若しくは参議院の議長若しくは副議長、内閣総理大臣、国務大臣、内閣官房副長官、内閣危機管理監、内閣官房副長官補、内閣広報官、内閣情報官、内閣総理大臣補佐官、副大臣(法律で国務大臣をもつてその長に充てることと定められている各庁の副長官を含む。)、大臣政務官(長官政務官を含む。)、内閣総理大臣秘書官、国務大臣秘書官の職若しくは国会若しくは地方公共団体の議会の議員、地方公共団体の長その他公選による公職に就き、一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する法律 (平成十二年法律第百二十五号)第五条第一項 (裁判所職員臨時措置法 (昭和二十六年法律第二百九十九号)において準用する場合を含む。)に規定する任期付職員若しくは自衛隊法 (昭和二十九年法律第百六十五号)第三十六条の四第一項 に規定する任期付隊員となり、若しくは常時勤務を要しない公務員となり、又は官公署より特定の事項について委嘱された職務を行うことは、この限りでない。
 2  弁護士は、前項但書の規定により常時勤務を要する公職を兼ねるときは、その職に在る間弁護士の職務を行つてはならない。
 3  弁護士は、所属弁護士会の許可を受けなければ、営利を目的とする業務を営み、若しくはこれを営む者の使用人となり、又は営利を目的とする法人の業務執行社員、取締役若しくは使用人となることができない。


第五章 弁護士会

(目的及び法人格)
第三十一条  弁護士会は、弁護士の使命及び職務にかんがみ、その品位を保持し、弁護士事務の改善進歩を図るため、弁護士の指導、連絡及び監督に関する事務を行うことを目的とする。
 2  弁護士会は、法人とする。


(設立の基準となる区域)
第三十二条  弁護士会は、地方裁判所の管轄区域ごとに設立しなければならない。


(会則)
第三十三条  弁護士会は、日本弁護士連合会の承認を受けて、会則を定めなければならない。
 2  弁護士会の会則には、左の事項を記載しなければならない。
 一  名称及び事務所の所在地。
 二  会長、副会長その他会の機関の選任、構成及び職務権限に関する規定。
 三  入会及び退会に関する規定。
 四  資格審査会に関する規定。
 五  会議に関する規定。
 六  弁護士名簿の登録、登録換及び登録取消の請求の進達並びに第十三条の規定による登録取消の請求に関する規定。
 七  弁護士道徳その他会員の綱紀保持に関する規定。
 八  弁護士の報酬に関する標準を示す規定。
 九  無資力者のためにする法律扶助に関する規定。
 十  官公署その他に対する弁護士の推薦に関する規定。
 十一  司法修習生の修習に関する規定。
 十二  会員の職務に関する紛議の調停に関する規定。
 十三  建議及び答申に関する規定。
 十四  懲戒、懲戒委員会及び綱紀委員会に関する規定。
 十五  会費に関する規定。
 十六  会計及び資産に関する規定。
 3  前項に掲げる事項を変更するときは、日本弁護士連合会の承認を受けなければならない。


(登記)
第三十四条  弁護士会は、その所在地において設立の登記をすることによつて成立する。
 2  弁護士会の設立の登記には、左の事項を登記しなければならない。
 一  名称。
 二  設立の基準となる地方裁判所の名称及び管轄区域。
 三  事務所。
 四  会長及び副会長の氏名及び住所。
 3  弁護士会が解散したときは、二週間以内に解散の登記をしなければならない。
 4  第二項に掲げる事項に変更を生じたときは、二週間以内に変更の登記をしなければならない。
 5  弁護士会において登記すべき事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
 6  この法律に規定するものの外、弁護士会の登記の手続に関して必要な事項は、政令で定める。


(会長及び副会長)
第三十五条  弁護士会の代表者は、会長とする。
 2  会長に事故のあるとき又は会長が欠けたときは、副会長がこの法律及び会則に規定する会長の職務を行う。
 3  会長及び副会長は、法令によつて公務に従事する職員とする。


(入会及び退会)
第三十六条  弁護士名簿に登録又は登録換を受けた者は、当然、入会しようとする弁護士会の会員となり、登録換を受けた場合には、これによつて旧所属弁護士会を退会するものとする。
 2  第十一条に規定する請求により登録取消を受けた者は、当然、所属弁護士会を退会するものとする。


(総会)
第三十七条  弁護士会は、毎年定期総会を開かなければならない。
 2  弁護士会は、必要と認める場合には、臨時総会を開くことができる。


(総会の決議等の報告)
第三十八条  弁護士会は、総会の決議並びに役員の就任及び退任を日本弁護士連合会に報告しなければならない。


(総会の決議を必要とする事項)
第三十九条  弁護士会の会則の変更、予算及び決算は、総会の決議によらなければならない。


(総会の決議の取消)
第四十条  弁護士会の総会の決議が公益を害するときその他法令又はその弁護士会若しくは日本弁護士連合会の会則に違反するときは、日本弁護士連合会は、その決議を取り消すことができる。


(紛議の調停)
第四十一条  弁護士会は、弁護士の職務に関する紛議につき、弁護士又は当事者その他関係人の請求により調停をすることができる。


(答申及び建議)
第四十二条  弁護士会は、日本弁護士連合会から諮問又は協議を受けた事項につき答申をしなければならない。
 2  弁護士会は、弁護士事務その他司法事務に関して官公署に建議し、又はその諮問に答申することができる。


(合併及び解散)
第四十三条  地方裁判所の管轄区域が変更されたためその区域内に在る弁護士会が合併又は解散する必要があるときは、その弁護士会は、総会の決議により合併又は解散する。
 2  合併については、商法 (明治三十二年法律第四十八号)第百条 及び第百三条 の規定を準用し、解散については、民法 (明治二十九年法律第八十九号)第七十三条 乃至第七十六条 、第七十八条 乃至第八十条 及び第八十二条 並びに民法施行法 (明治三十一年法律第十一号)第二十六条 及び第二十七条 の規定を準用する。
 3  弁護士会が合併したときは、合併により解散した弁護士会に所属した弁護士は、当然、合併後存続し又は合併により設立された弁護士会の会員となる。
 4  第十条第一項の規定は、前項の場合に準用する。


(行政手続法 の適用除外)
第四十三条の二  弁護士会がこの法律に基づいて行う処分については、行政手続法 (平成五年法律第八十八号)第二章 及び第三章 の規定は、適用しない。


(弁護士会連合会)
第四十四条  同じ高等裁判所の管轄区域内の弁護士会は、共同して特定の事項を行うため、規約を定め、日本弁護士連合会の承認を受けて、弁護士会連合会を設けることができる。


第六章 日本弁護士連合会

(設立、目的及び法人格)
第四十五条  全国の弁護士会は、日本弁護士連合会を設立しなければならない。
 2  日本弁護士連合会は、弁護士の使命及び職務にかんがみ、その品位を保持し、弁護士事務の改善進歩を図るため、弁護士及び弁護士会の指導、連絡及び監督に関する事務を行うことを目的とする。
 3  日本弁護士連合会は、法人とする。


(会則)
第四十六条  日本弁護士連合会は、会則を定めなければならない。
 2  日本弁護士連合会の会則には、左の事項を記載しなければならない。
 一  第三十三条第二項第一号乃至第五号、第七号乃至第十一号、第十三号及び第十四号(但し、綱紀委員会に関する事項を除く。)乃至第十六号に掲げる事項。
 二  弁護士名簿の登録、登録換及び登録取消に関する規定。


(会員)
第四十七条  弁護士及び弁護士会は、当然、日本弁護士連合会の会員となる。


(調査の依頼)
第四十八条  日本弁護士連合会は、弁護士及び弁護士会の指導、連絡及び監督に関する事務について、官公署その他に必要な調査を依頼することができる。


(最高裁判所の権限)
第四十九条  最高裁判所は、必要と認める場合には、日本弁護士連合会に、その行う事務について報告を求め、又は弁護士及び弁護士会に関する調査を依頼することができる。


(行政手続法 の適用除外)
第四十九条の二  日本弁護士連合会がこの法律に基づいて行う処分については、行政手続法第二章 及び第三章 の規定は、適用しない。


(不服申立ての制限)
第四十九条の三  日本弁護士連合会がこの法律に基づいてした処分については、行政不服審査法 による不服申立てをすることができない。


(準用規定)
第五十条  第三十四条、第三十五条、第三十七条、第三十九条及び第四十二条第二項の規定は、日本弁護士連合会に準用する。


第七章 資格審査会

(設置及び機能)
第五十一条  各弁護士会及び日本弁護士連合会にそれぞれ資格審査会を置く。
 2  資格審査会は、その置かれた弁護士会又は日本弁護士連合会の請求により、登録、登録換及び登録取消の請求に関して必要な審査をする。


(組織)
第五十二条  資格審査会は、会長及び委員若干人をもつて組織する。
 2  会長は、その資格審査会の置かれた弁護士会又は日本弁護士連合会の会長をもつてこれに充てる。
 3  委員は、弁護士、裁判官、検察官及び学識経験のある者の中から会長が委嘱する。但し、弁護士会の資格審査会においては、裁判官又は検察官である委員はその地の高等裁判所若しくは地方裁判所又は高等検察庁検事長若しくは地方検察庁検事正の推薦に基き、その他の委員はその弁護士会の総会の決議に基き、日本弁護士連合会の資格審査会においては、裁判官又は検察官である委員は最高裁判所又は検事総長の推薦に基き、その他の委員は日本弁護士連合会の総会の決議に基かなければならない。
 4  委員の任期は、二年とする。但し、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。


(予備委員)
第五十三条  資格審査会に予備委員若干人を置く。
 2  前条第三項及び第四項の規定は、予備委員に準用する。
 3  委員に事故のあるとき又は委員が欠けたときは、会長は、同じ資格を有する予備委員の中からその代理をする者を命ずる。


(会長の職務及びその身分等)
第五十四条  会長は、会務を総理する。
 2  会長、委員及び予備委員は、法令によつて公務に従事する職員とする。


(審査手続)
第五十五条  資格審査会は、審査に関し必要があるときは、当事者、関係人及び官公署その他に対して陳述、説明又は資料の提出を求めることができる。
 2  資格審査会は、登録の請求、登録換の請求若しくはこれらの進達を拒絶することを可とし、又は第十三条の規定による登録取消の請求を可とする議決をする場合には、あらかじめ、当事者に対してその旨を通知し、且つ、これに関して陳述及び資料の提出をする機会を与えなければならない。


第八章 懲戒

(懲戒事由及び懲戒権者)
第五十六条  弁護士は、この法律又は所属弁護士会若しくは日本弁護士連合会の会則に違反し、所属弁護士会の秩序又は信用を害し、その他職務の内外を問わずその品位を失うべき非行があつたときは、懲戒を受ける。
 2  懲戒は、その弁護士の所属弁護士会が、懲戒委員会の議決に基いて行う。


(懲戒の種類)
第五十七条  懲戒は、左の四種とする。
 一  戒告。
 二  二年以内の業務の停止。
 三  退会命令。
 四  除名。


(懲戒の請求、調査及び審査)
第五十八条  何人も、弁護士について懲戒の事由があると思料するときは、その事由の説明を添えて、その弁護士の所属弁護士会にこれを懲戒することを求めることができる。
 2  弁護士会は、所属の弁護士について、懲戒の事由があると思料するとき又は前項の請求があつたときは、綱紀委員会にその調査をさせなければならない。
 3  弁護士会は、綱紀委員会が前項の調査により弁護士を懲戒することを相当と認めたときは、懲戒委員会にその審査を求めなければならない。


(懲戒を受けた者の審査請求に対する裁決)
第五十九条  日本弁護士連合会は、第五十六条の規定により弁護士会がした懲戒についての行政不服審査法 による審査請求に対して裁決をする場合には、懲戒委員会の議決に基づかなければならない。


(日本弁護士連合会の懲戒)
第六十条  日本弁護士連合会は、第五十六条第一項に規定する事案についてみずからその弁護士を懲戒することを適当と認めるときは、懲戒委員会の議決に基き、これを懲戒することができる。


(懲戒請求者の異議の申出)
第六十一条  第五十八条第一項の規定により弁護士に対する懲戒の請求があつたにもかかわらず、弁護士会がその弁護士を懲戒しないとき又は相当の期間内に懲戒の手続を終えないときは、その請求をした者は、日本弁護士連合会に異議を申し出ることができる。弁護士会の懲戒の処分が不当に軽いと思料するときもまた同様とする。
 2  日本弁護士連合会は、前項の申出を受けた場合においては、懲戒委員会の議決に基き、その申出に理由があると認めるときは、当該弁護士会にその旨を通知し、又は前条の規定によりみずから懲戒し、その申出に理由がないと認めるときはこれを棄却しなければならない。
 3  前項の処分については、第十四条第三項の規定を準用する。


(訴えの提起)
第六十二条  第五十六条の規定による懲戒についての審査請求を却下され若しくは棄却され、又は第六十条の規定により懲戒を受けた者は、東京高等裁判所にその取消しの訴えを提起することができる。
 2  第五十六条の規定による懲戒の処分に関しては、これについての日本弁護士連合会の裁決に対してのみ、取消しの訴えを提起することができる。


(登録換等の請求の制限)
第六十三条  懲戒の手続に付された弁護士は、その手続が結了するまで登録換又は登録取消の請求をすることができない。


(除斥期間)
第六十四条  懲戒の事由があつたときから三年を経過したときは、懲戒の手続を開始することができない。


第九章 懲戒委員会及び綱紀委員会

(懲戒委員会の設置及び機能)
第六十五条  各弁護士会及び日本弁護士連合会にそれぞれ懲戒委員会を置く。
 2  懲戒委員会は、その置かれた弁護士会又は日本弁護士連合会の請求により、その所属の弁護士の懲戒に関して必要な審査をする。


(懲戒委員会の組織)
第六十六条  懲戒委員会は、委員長及び委員若干人をもつて組織する。
 2  委員長は、委員の互選による。
 3  委員長に事故のあるときは、あらかじめ懲戒委員会の定める順序により、他の委員が委員長の職務を行う。
 4  懲戒委員会に予備委員若干人を置く。


(懲戒委員会の審査手続)
第六十七条  懲戒委員会は、審査を求められたときは、すみやかに、審査の期日を定め、審査を受ける弁護士にその旨を通知しなければならない。
 2  審査を受ける弁護士は、審査期日に出頭し、且つ、陳述することができる。但し、委員長の指揮に従わなければならない。
 3  第五十五条第一項の規定は、懲戒委員会の審査について準用する。


(懲戒手続の中止)
第六十八条  懲戒委員会は、同一の事由について刑事訴訟が係属する間は、懲戒の手続を中止することができる。


(準用規定)
第六十九条  第五十二条第三項、第四項、第五十三条第二項、第三項及び第五十四条の資格審査会の会長、委員及び予備委員に関する規定は、それぞれ懲戒委員会の委員長、委員及び予備委員に準用する。但し、この場合において、第五十二条第三項中「会長」とあるのは、「弁護士会の懲戒委員会においてはその弁護士会の会長、日本弁護士連合会の懲戒委員会においては日本弁護士連合会の会長」と読み替えるものとする。


(綱紀委員会の設置及び機能等)
第七十条  各弁護士会に綱紀委員会を置く。
 2  綱紀委員会は、第五十八条第二項の調査その他その置かれた弁護士会の会員の綱紀保持に関する事項をつかさどる。
 3  綱紀委員会の委員は、その置かれた弁護士会の会員の互選による。


(準用規定)
第七十一条  第五十二条第四項、第五十四条、第五十五条第一項及び第六十六条第一項乃至第三項の規定は、綱紀委員会に準用する。但し、この場合において、第五十四条中「会長」とあるのは、「委員長」と読み替えるものとする。


第十章 法律事務の取扱に関する取締

(非弁護士の法律事務の取扱等の禁止)
第七十二条  弁護士でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。但し、この法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。


(譲り受けた権利の実行を業とすることの禁止)
第七十三条  何人も、他人の権利を譲り受けて、訴訟、調停、和解その他の手段によつて、その権利の実行をすることを業とすることができない。


(非弁護士の虚偽標示等の禁止)
第七十四条  弁護士でない者は、弁護士又は法律事務所の標示又は記載をしてはならない。
 2  弁護士でない者は、利益を得る目的で、法律相談その他法律事務を取り扱う旨の標示又は記載をしてはならない。


第十一章 罰則

(虚偽登録の罪)
第七十五条  弁護士となる資格を有しない者が、日本弁護士連合会にその資格につき虚偽の申告をして、弁護士名簿に登録をさせたときは、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
 2  前項の未遂罪を罰する。


(汚職の罪)
第七十六条  第二十六条の規定に違反した者は、三年以下の懲役に処する。


(非弁護士の法律事務取扱等の罪)
第七十七条  第二十七条、第二十八条、第七十二条又は第七十三条の規定に違反した者は、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。


(両罰規定)
第七十八条  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して第七十二条又は第七十三条の違反行為をしたときは、その行為を罰する外、その法人又は人に対して前条の罰金刑を科する。


(虚偽標示等の罪)
第七十九条  第七十四条の規定に違反した者は、二十万円以下の罰金に処する。

附則


(施行の日)
第八十条 この法律は、昭和二十四年九月一日から施行する。


(従前の弁護士資格者)
第八十一条 従前の規定により弁護士となる資格を有する者は、この法律の適用については、その資格を得たときに司法修習生の修習を終えたものとみなす。


(弁護士試補の特例)
第八十二条 この法律施行の際現に弁護士試補である者が、従前の弁護士法の規定により一年六箇月以上の実務修習を終え考試を経たときは、その考試を経たときに司法修習生の修習を終えたものとみなす。


(弁護士の欠格事由の適用)
第八十三条 第六条の規定の適用については、従前の計理士法(昭和二年法律第三十一号)の規定により業務の禁止の処分を受けた者は、懲戒の処分により公認会計士の登録をまつ消された者とみなし、従前の税務代理士法(昭和十七年法律第四十六号)の規定により税務代理士の許可を取り消された者は、懲戒の処分により税理士の登録を取り消されたものとみなし、官吏懲戒令(明治三十二年勅令第六十三号)により免官の処分を受けた者は、公務員であつて懲戒の処分により免職された者とみなす。


(従前の弁護士名簿の登録)
第八十四条 従前の規定による弁護士名簿の登録は、この法律による弁護士名簿の登録とみなす。


(従前の登録又は登録換の請求)
第八十五条 従前の規定により法務総裁に対してなされた登録又は登録換の請求は、この法律により日本弁護士連合会に対してなされた登録又は登録換の請求の進達とみなす。


(従前の弁護士の事務所)
第八十六条 従前の規定により法務総裁に届け出てある弁護士の事務所は、その弁護士がこの法律の規定により届出をした法律事務所とみなす。


(従前の弁護士名簿等の引継)
第八十七条 法務府は、従前の規定により同府に備えられた弁護士名簿その他弁護士及び弁護士会に関する関係書類を、日本弁護士連合会の求めにより、これに引き継がなければならない。


(現存の弁護士会及び弁護士会連合会)
第八十八条 この法律施行の際現に存する弁護士会又は同じ高等裁判所の管轄区域内の弁護士会連合会は、この法律により弁護士会又は弁護士会連合会とみなす。
2 前項の弁護士会又は弁護士会連合会は、すみやかに、その会則又は規約について日本弁護士連合会の承認を受け、なお弁護士会にあつては設立の登記をしなければならない。
3 前項の登記については、第三十四条第二項及び第四項乃至第六項の規定を準用する。


(同じ区域内の弁護士会の特例)
第八十九条 この法律施行の際現に同じ地方裁判所の管轄区域内に在る二箇以上の弁護士会は、第三十二条の規定にかかわらず、この法律施行後もなお存続させることができる。
2 前項の弁護士会は、何時でも合併又は解散することができる。
3 前項の合併又は解散については、第四十三条第二項乃至第四項の規定を準用する。


(日本弁護士連合会設立の準備手続)
第九十条 日本弁護士連合会設立について必要な準備手続は、第八十条に規定する期日よりも前に行うことができる。


(弁護士及び弁護士試補の資格の特例に関する法律の適用)
第九十一条 弁護士及び弁護士試補の資格の特例に関する法律(昭和二十一年法律第十一号)の適用については、なお従前の例による。但し、同法に規定する弁護士試補は、司法修習生と読み替え、審査委員会の職務は、この法律に規定する日本弁護士連合会の資格審査会が行うものとする。


(法律事務取扱の取締に関する法律の廃止)
第九十二条 法律事務取扱の取締に関する法律(昭和八年法律第五十四号)は、廃止する。但し、同法廃止前になした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

附則 (昭和二五年四月一四日法律第九六号) 抄


1 この法律のうち、裁判所法第六十一条の二、第六十一条の三及び第六十五条の改正規定、検察審査会法第六条第六号の改正規定中少年調査官及び少年調査官補に関するもの並びに少年法の改正規定は公布の日から起算して三十日を経過した日から、その他の部分は公布の日から施行する。

附則 (昭和二六年六月九日法律第二二一号)


 この法律は、公布の日から施行する。

附則 (昭和二六年六月一五日法律第二三七号) 抄


1 この法律は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行する。

附則 (昭和二七年七月三一日法律第二六八号) 抄


1 この法律は昭和二十七年八月一日から施行する。
3 従前の機関及び職員は、この法律に基く相当の機関及び職員となり、同一性をもつて存続するものとする。
4 この法律の施行前における法務府の各長官、法務総裁官房長、法務府事務官及び法務府教官の在職は、裁判所法第四十一条、第四十二条(判事補の職権の特例等に関する法律第一条第二項において準用する場合を含む。)及び第四十四条、検察庁法第十九条、弁護士法第五条並びに司法書士法第二条の規定の適用については、それぞれ法務省の事務次官、法務事務官及び法務教官の在職とみなす。

附則 (昭和三〇年八月一〇日法律第一五五号) 抄


1 この法律は、公布の日から施行する。
3 この法律の施行の際、現に改正前の弁護士法第七条第一項又は第二項に規定する最高裁判所の承認を受けている者については、なお従前の例による。
4 前項に規定する者を除いて、この法律の施行前に改正前の弁護士法第七条第一項又は第二項に規定する最高裁判所の承認を受けた者がこの法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

附則 (昭和三二年六月一日法律第一五八号) 抄


(施行期日)
1 この法律は、昭和三十二年八月一日から施行する。

附則 (昭和三六年六月一五日法律第一三七号) 抄


1 この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
15 この法律による改正後の弁理士法第五条第三号、公認会計士法第四条第七号、弁護士法第六条第三号及び第十二条第一項第二号並びに司法書士法第三条第五号の規定の適用については、旧法の規定による懲戒処分たる税理士の登録の取消しは、新法の規定による懲戒処分たる税理士業務の禁止とみなす。

附則 (昭和三七年四月一六日法律第七七号) 抄


(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第六条及び附則第五項から第十一項までの規定は、昭和三十七年七月一日から施行する。
10 改正後の弁護士法第五条の規定の適用については、第六条の規定の施行前における法務研修所の教官の在職は法務総合研究所の教官の在職と、法制局参事官の在職は内閣法制局参事官の在職とみなす。

附則 (昭和三七年五月一六日法律第一四〇号) 抄


1 この法律は、昭和三十七年十月一日から施行する。
2 この法律による改正後の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、この法律による改正前の規定によつて生じた効力を妨げない。
3 この法律の施行の際現に係属している訴訟については、当該訴訟を提起することができない旨を定めるこの法律による改正後の規定にかかわらず、なお従前の例による。
4 この法律の施行の際現に係属している訴訟の管轄については、当該管轄を専属管轄とする旨のこの法律による改正後の規定にかかわらず、なお従前の例による。
5 この法律の施行の際現にこの法律による改正前の規定による出訴期間が進行している処分又は裁決に関する訴訟の出訴期間については、なお従前の例による。ただし、この法律による改正後の規定による出訴期間がこの法律による改正前の規定による出訴期間より短い場合に限る。
6 この法律の施行前にされた処分又は裁決に関する当事者訴訟で、この法律による改正により出訴期間が定められることとなつたものについての出訴期間は、この法律の施行の日から起算する。
7 この法律の施行の際現に係属している処分又は裁決の取消しの訴えについては、当該法律関係の当事者の一方を被告とする旨のこの法律による改正後の規定にかかわらず、なお従前の例による。ただし、裁判所は、原告の申立てにより、決定をもつて、当該訴訟を当事者訴訟に変更することを許すことができる。
8 前項ただし書の場合には、行政事件訴訟法第十八条後段及び第二十一条第二項から第五項までの規定を準用する。

附則 (昭和三七年九月一五日法律第一六一号) 抄


1 この法律は、昭和三十七年十月一日から施行する。
2 この法律による改正後の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前にされた行政庁の処分、この法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為その他この法律の施行前に生じた事項についても適用する。ただし、この法律による改正前の規定によつて生じた効力を妨げない。
3 この法律の施行前に提起された訴願、審査の請求、異議の申立てその他の不服申立て(以下「訴願等」という。)については、この法律の施行後も、なお従前の例による。この法律の施行前にされた訴願等の裁決、決定その他の処分(以下「裁決等」という。)又はこの法律の施行前に提起された訴願等につきこの法律の施行後にされる裁決等にさらに不服がある場合の訴願等についても、同様とする。
4 前項に規定する訴願等で、この法律の施行後は行政不服審査法による不服申立てをすることができることとなる処分に係るものは、同法以外の法律の適用については、行政不服審査法による不服申立てとみなす。
5 第三項の規定によりこの法律の施行後にされる審査の請求、異議の申立てその他の不服申立ての裁決等については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。
6 この法律の施行前にされた行政庁の処分で、この法律による改正前の規定により訴願等をすることができるものとされ、かつ、その提起期間が定められていなかつたものについて、行政不服審査法による不服申立てをすることができる期間は、この法律の施行の日から起算する。
8 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
9 前八項に定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
10 この法律及び行政事件訴訟法の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律(昭和三十七年法律第百四十号)に同一の法律についての改正規定がある場合においては、当該法律は、この法律によつてまず改正され、次いで行政事件訴訟法の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律によつて改正されるものとする。

附則 (昭和四〇年五月一八日法律第六九号) 抄


(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して九十日をこえない範囲内で政令で定める日から施行する。

附則 (昭和四一年六月二八日法律第八九号) 抄


(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。

附則 (昭和五八年一二月二日法律第七八号)


1 この法律(第一条を除く。)は、昭和五十九年七月一日から施行する。
2 この法律の施行の日の前日において法律の規定により置かれている機関等で、この法律の施行の日以後は国家行政組織法又はこの法律による改正後の関係法律の規定に基づく政令(以下「関係政令」という。)の規定により置かれることとなるものに関し必要となる経過措置その他この法律の施行に伴う関係政令の制定又は改廃に関し必要となる経過措置は、政令で定めることができる。

附則 (昭和五八年一二月二日法律第八〇号) 抄


(施行期日)
1 この法律は、総務庁設置法(昭和五十八年法律第七十九号)の施行の日から施行する。
(経過措置)
6 この法律に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定めることができる。

附則 (昭和六一年五月二三日法律第六六号) 抄


(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

附則 (平成五年一一月一二日法律第八九号) 抄


(施行期日)
第一条 この法律は、行政手続法(平成五年法律第八十八号)の施行の日から施行する。


(諮問等がされた不利益処分に関する経過措置)
第二条 この法律の施行前に法令に基づき審議会その他の合議制の機関に対し行政手続法第十三条に規定する聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続に相当する手続を執るべきことの諮問その他の求めがされた場合においては、当該諮問その他の求めに係る不利益処分の手続に関しては、この法律による改正後の関係法律の規定にかかわらず、なお従前の例による。


(罰則に関する経過措置)
第十三条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


(聴聞に関する規定の整理に伴う経過措置)
第十四条 この法律の施行前に法律の規定により行われた聴聞、聴問若しくは聴聞会(不利益処分に係るものを除く。)又はこれらのための手続は、この法律による改正後の関係法律の相当規定により行われたものとみなす。


(政令への委任)
第十五条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。

附則 (平成八年六月二六日法律第一〇三号) 抄


(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。

附則 (平成一〇年三月三一日法律第一三号) 抄


(施行期日)
1 この法律は、平成十年四月一日から施行する。

附則 (平成一一年七月一六日法律第一〇二号) 抄


(施行期日)
第一条 この法律は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
二 附則第十条第一項及び第五項、第十四条第三項、第二十三条、第二十八条並びに第三十条の規定 公布の日


(職員の身分引継ぎ)
第三条 この法律の施行の際現に従前の総理府、法務省、外務省、大蔵省、文部省、厚生省、農林水産省、通商産業省、運輸省、郵政省、労働省、建設省又は自治省(以下この条において「従前の府省」という。)の職員(国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第八条の審議会等の会長又は委員長及び委員、中央防災会議の委員、日本工業標準調査会の会長及び委員並びに これらに類する者として政令で定めるものを除く。)である者は、別に辞令を発せられない限り、同一の勤務条件をもって、この法律の施行後の内閣府、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省若しくは環境省(以下この条において「新府省」という。)又はこれに置かれる部局若しくは機関のうち、この法律の施行の際現に当該職員が属する従前の府省又はこれに置かれる部局若しくは機関の相当の新府省又はこれに置かれる部局若しくは機関として政令で定めるものの相当の職員となるものとする。


(中央更生保護審査会に関する経過措置)
第五条 この法律の施行の際現に従前の法務省の中央更生保護審査会の委員長又は委員である者は、それぞれこの法律の施行の日に、犯罪者予防更生法第五条第一項の規定により、法務省の中央更生保護審査会の委員長又は委員として任命されたものとみなす。この場合において、その任命されたものとみなされる者の任期は、同法第六条の規定にかかわらず、同日における従前の法務省の中央更生保護審査会の委員長又は委員としてのそれぞれの任期の残任期間と同一の期間とする。


(人権擁護推進審議会に関する経過措置)
第六条 この法律の施行の際現に従前の法務省の人権擁護推進審議会の委員である者は、この法律の施行の日に、人権擁護施策推進法第四条第二項の規定により、法務省の人権擁護推進審議会の委員として任命されたものとみなす。
2 この法律の施行の際現に従前の法務省の人権擁護推進審議会の会長である者は、この法律の施行の日に、人権擁護施策推進法第四条第四項の規定により、法務省の人権擁護推進審議会の会長として定められたものとみなす。


(別に定める経過措置)
第三十条 第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要となる経過措置は、別に法律で定める。

附則 (平成一一年七月三〇日法律第一一六号) 抄


(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。

附則 (平成一一年一二月八日法律第一五一号) 抄


(施行期日)
第一条 この法律は、平成十二年四月一日から施行する。


第四条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

附則 (平成一一年一二月二二日法律第一六〇号) 抄


(施行期日)
第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。

附則 (平成一二年一一月二七日法律第一二五号) 抄


(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。

附則 (平成一三年六月八日法律第四〇号) 抄


(施行期日)
1 この法律は、平成十四年三月三十一日までの間において政令で定める日から施行する。ただし、第二条中自衛隊法第三十六条の四第一項の改正規定、同条を同法第三十六条の八とする改正規定、同法第三十六条の三を同法第三十六条の七とする改正規定、同法第三十六条の二の前の見出しを削る改正規定、同条の改正規定、同条を同法第三十六条の六とし、同条の前に見出しを付する改正規定及び同法第三十六条の次に四条を加える改正規定並びに第三条(防衛庁の職員の給与等に関する法律第三条第一項、第二十二条第一項、第二十四条の四及び第二十四条の五の改正規定、同条を同法第二十四条の六とする改正規定、同法第二十四条の四の次に一条を加える改正規定並びに同法第二十八条の三の改正規定に係る部分を除く。)、第四条及び附則第三項から第五項までの規定は、公布の日から施行する。

附則 (平成一三年六月八日法律第四一号) 抄


(施行期日)
第一条 この法律は、平成十四年四月一日から施行する。