<特報・ストーカー>三角関係相手の女性脅迫 福岡の主婦逮捕
毎日新聞ニュース速報[2001-01-31-15:00]


 福岡・西署は31日、三角関係になった女性の携帯電話へ執ように電子メールを送り「死ね」などと脅したとして、福岡市城南区の主婦(39)について脅迫容疑で逮捕状を取った。午後にも逮捕する。主婦は女性の夫の会社にもいやがらせ電話を約6700回かけ、会社の電話交換業務に一時支障が出たという。

 調べでは、主婦は1997年夏、不特定多数の相手にメッセージを残せる伝言ダイヤルで、男性会社員(37)と知り合った。しかし、会社員は99年初めごろ、福岡市内の別の女性(34)とつき合うようになった。このため主婦は昨年9月から4カ月間、女性の携帯電話に約200通の電子メールを送り、このうち数十通で「死ね」「博多湾に捨ててやる」などと脅した疑い。

 主婦は昨年9〜12月、被害女性の夫が勤める会社(福岡市)にも「(夫の)妻は不倫している」「(夫の)携帯電話の番号を教えろ」などと嫌がらせ電話を約6700回かけていた。主婦はこの際、プリペイド式の携帯電話数台を使い分け、音声を変換する「ボイスチェンジャー」と呼ばれる道具を使って性別が分からないように偽装。会社への電話は多い時で1日に700回に上ったという。

 西署によると、主婦は被害女性の子供が通う小学校を割り出し、学校に問い合わせて女性の自宅の電話番号も聞き出した。自宅にも脅迫電話をかけており、脅迫は電子メールも含めて99年秋〜昨年12月の約1年3カ月間に及んだという。主婦には、女性宅のかぎ穴に接着剤を詰めるなどした疑いもあり、器物損壊容疑でも調べる。

 西署はストーカー規制法の適用も検討したが、刑がより重い脅迫罪を適用した。




無言電話6000回、主婦を脅迫容疑で逮捕へ 福岡県警
朝日新聞ニュース速報[2001-01-31-16:40]

 電話で交際していた男性が別の女性と付き合い始めたことを恨み、中傷ビラをまいたり無言電話をかけたりしたとして、福岡県警西署は31日、福岡市城南区の主婦(40)に対し、脅迫の疑いで逮捕状を取った。同日中に逮捕する方針。

 中傷ビラは女性の子どもの学校にもまかれ、無言電話は女性の家族の勤務先だけで約6000回に及んだという。同署は、執ようで悪質な嫌がらせとして、異例の脅迫容疑による強制捜査に踏み切った。

 調べによると、主婦は昨年11月から12月にかけて、福岡市内の女性名義の携帯電話に二百数十回、無言電話をかけたり嫌がらせメールを送ったりした疑い。メールには女性を中傷する内容とともに、「殺してやる」などの文言もかかれていたとされる。

 関係者によると、被害を受けた女性の周辺では、昨年夏ごろから、無言電話や嫌がらせメールの頻度が増えたとされる。また、自宅や子どもの小学校に中傷ビラがまかれ、女性の夫の勤務先には約6000回に及ぶ嫌がらせや無言の電話がかかってきたという。
 
この会社によると、様々な嫌がらせや無言の電話が毎日のように何回も事務所にかかり、多いときは1日700回を超えたため、被疑者不詳で告訴も考えたが、昨年末からピタリと止まったという。

 西署などの調べによると、容疑の主婦は1997年に市内の男性を知り、電話で話をしたり、メールを送ったりして交際していたが、99年ごろに男性が女性と付き合い出したことを主婦に漏らしたという。このため、同署は主婦が女性を恨んで嫌がらせや脅迫行為を始めたとみている。 主婦と男性は面識がなく、主婦が電話をかけるときは本人名義の携帯電話、男性から電話を受けるときは身元が分からないプリペイド式の携帯電話と、使い分けていたとみられ、男性は主婦の素性はまったく知らないと話しているという。

 主婦はこの2台のほかにプリペイド式携帯電話を3台購入し、女性名義の携帯電話や女性の夫の勤務先にかけたとみられる。 主婦は、女性の子どもの授業参観日に小学校を訪れ、知人を装って女性の電話番号を聞き出したことが確認されている。また、女性を中傷するビラは、この小学校の授業参観日に女性の子どものげた箱に入れられていた。その後の授業参観日に、女性が張り込みを依頼した知人が、学校を訪れた主婦に声をかけたところ逃げたという。 女性から被害届を受けた同署は当初、ストーカー行為規制法違反容疑で捜査を始めたが、「嫌がらせの内容が悪質」と判断し、脅迫容疑に切り替えた。