風呂行
京都地裁平成10年11月27日判決からの抜粋


 本件入浴()について、原告らはビジョンTセミナーの一環として行われたものであると主張するのに対し、被告らはこれを否定するので、以下検討する。

 「死亡事故がおきた入浴のこと」

 証拠(証人伊賀、同杉江、被告水野、同中屋敷)によれば、本件入浴の方法については、本件セミナー初日のオリエンテーションにおいて、被告水野が、セミナーの時間割を説明した後に「膝から下が30分、肩から下が20分、合わせて50分間入ります」などと具体的に説明し、セミナー生に対し、「気を通しやすい体にする」という本件セミナーの目的に沿うものであることを認識させていたこと、セミナー生の約半数右方法に従って入浴し、セミナー生の間で「風呂行」と呼ばれていたことは被告ライフスペースのスタッフも認識していたこと、右入浴方法は、細目に変化はあったものの、第4回目のビジョンTセミナーから行われていたことが認められ、以上の事実を総合すれば、本件入浴は、少なくとも被告ライフスペースのスタッフの指示に基づいて、ビジョンTセミナーを効果的に受けるために必要な行為として行われたものであり、ビジョンTセミナーの内容となっていたと認められる