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松本サリン事件損害賠償請求訴訟

松本サリン事件損害賠償請求訴訟における被告の答弁


被告松本智津夫の答弁

1、請求の原因(原告の主張)の認否:(要約)

 松本サリン事件の発生について不知

 松本サリン事件のサリン製造、サリン噴霧車製造、事件の実行すべてを否認

 被告らの責任は否認

 遺族らの損害は不知

2、被告の主張:(全文)

 被告松本が「ハルマゲドン」の自作自演をした事実はないし、係属事件の裁判官の殺害を指示した事実もない。

 全く被告らの犯行としては、動機が理解できないものである。

 被告教団の「第七サティアン」は、化学プラントとして、未完成であり、いかなる化学者も「サリン」の生成を行うことは不可能である。「第七サティアン」は農薬「DDVP」の生成プラントとして、亡村井の設計したものであり、同人は生前から、「サリン」は絶対生成不可能なプラントであると言明していた。

 被告教団は、現在、なお、一〇〇〇名の信者と十数名の役員によって運営されているが、ほとんどの信者は、原告ら主張の事件に関与していない善良な市民である。

 被告役員会において、かかる組織的犯行が承認される筈はないし、被告松本も、かかる指示を一切出していない。



被告中川智正、佐々木香世子の答弁:(内容を敷衍)

 松本サリン事件の発生、教団による実行(松本智津夫による指示も含む)、責任はいずれも認める。



被告端本悟の答弁:(要約)

 サリンの製造、サリン噴霧車の製造は不知。

 松本サリン事件に松本智津夫以下が関わったことは認める

 橋本悟は事件当時噴霧した物質がサリンとは知らなかった。

 故意による責任は否認し過失責任は認める。



被告冨田隆の答弁:(全文)

 私が現場へ行ったのは間違いありませんが現在、刑事裁判で、目的は知らされておらず殺意はなかったという点で争っています。

 とは申しましても、このような教団と気付かず、教団にいて、事件に関ってしまったという道義的責任は重いと思っておりますし被害にあわれた方々に対し、深くお詫びするものであります。

 しかし現在の私には財産は何も無く、金銭でお詫びする事ができません。

 たいへん申し訳なく思っております。

 多くの被害者や遺族の方々に直接お詫びする機会もなく、方法も思いつかずに今まで来ました。

 こうして訴訟を提起した遺族の方々にお詫びの気持ちだけでもお伝えする手段としてこの答弁書を提出させていただきます。



被告新實智光、中村昇、土谷正美、森脇佳子の答弁

  答弁書提出せず。



被告遠藤誠一の答弁:(要約)

 松本サリン事件の発生は不知

 サリンの製造、サリン噴霧車の製造は不知

 松本サリン事件の実行については遠藤がワゴン車をレンタルした事実は認めるがそれ以外は不知ないし否認 

*遠藤誠一は当初原告の主張に対する認否の提出期限を守らず、裁判所が弁論を終結して判決期日を指定すると、弁論の再開を申し立てて、上記の内容の全面否認の主張をした。そこで原告らが遠藤誠一の本人尋問を申請し、裁判所が尋問を決定するや遠藤は「現在刑事事件で裁判が行なわれているので民事事件の裁判において現在出廷し、証言することはできません。せっかく弁論を再開してもらったのですが結審してもらっても結構です」「刑事事件があるのでたとえ東京拘置所に出向いてもらっても出廷するつもりも証言するつもりもありません。結審して下さい。」として尋問を逃げ続けた。そのため裁判所は再度弁論を終結し、原告らの請求を全面的に認める判決を言い渡した。その判決の末尾には「被告は、当裁判所の以上の認定判断に不服があれば、控訴して争うべきである。」とまで記載されたが、遠藤は控訴しなかった。