相談をされる場合の注意点
最終更新07/09/25
1 法律相談の正確性 法律相談には、有料のものと、無料のものがあります。 また電話やインターネットなど、通信で相談できるものと、面談で行うものがあります。 そのうち電話やインターネットで行う相談の多くは、無料の相談だろうと思います。 ところで、電話やインターネットで行う相談の場合、当然、具体的な資料を見ながら相談に応ずることはできませんので、答えも、仮定的・想定的なものとなるのが普通です。 ですからごくごく簡単な相談ならともかく、電話やインターネットを通じた法律相談の正確さは、面談による正確さにかなわないことをよく理解してください。 2 インターネット経由の法律相談の危うさ 次に電話とインターネットによる相談の違いもよく知っておいてください。電話は、双方向性の点から、インターネットより、より面談による相談に近いものです。ところが、インターネットによる相談の場合、相談者が、一方的にメールで送ってくるものです。 法律的結論は、事実によって変わります。正しい法律的評価は、正確な事実が前提に必要です。 ところが相談者の多くは、まず自分が重要だと考える事実に基づいて相談してきます。相談者は当然法律的に素人ですから、事実を法律的観点から整理する力はありません。面談による相談だと、弁護士の方で、重要だと思われる事実について、相談者の相談内容から、法律的結論を導き出すために必用な事実を確認・補充する作業ができますが、メールでの作業はそう行った作業に困難が伴います。 ですからインターネットによる相談は、電話による相談よりも、正確さに劣る場合があることについて、よく理解しておいてください。インターネットの利用者には、この点の誤解もあるようですので、ご注意下さい。 ちなみに僕が弁護団長をつとめるインターネット消費者被害対策弁護団(LICP)では、メールでの相談の欠点を無視することができず、必用な場合、無料で電話相談するなどの対応をしています。LICP宛てに、ご相談になりたい方はまずメールで、ご一報下さい。ただしインターネットの消費者被害に限らせていただいております。 3 有料の相談と無料の相談 面談による相談にも、有料のものと、無料のものがあります。また面談をした弁護士に受任義務があるものと、受任義務はないものの直受といって直接受任ができるもの、そもそも相談だけで、直接受任を禁じられているものなどがあります。 直接受任を禁じられている場合、相談を受けた弁護士が、この事件では、弁護士が入らないとまずいと判断した場合には、別の相談窓口を紹介することになります。 多くの市町村では、弁護士による無料の法律相談を行っています。ただ直接受任を禁じられている場合が多く、その場合には弁護士会を紹介されるだけで 二度手間(別の弁護士に一から同じことを話さなくてはならなくなる)になることもあります。 4 法律相談の値段 弁護士に相談する場合は、弁護士会の基準により、原則として初回相談は、30分あたり、5000円と消費税と決められています。 僕はいろんなところでお話するのですが、 法律相談料は、占いなどと比べても、決して高額ではないと思います。 ですから僕は、占いに頼るくらいなら、できるだけ資料を用意され、弁護士の面談による相談をされることをすすめます。その際、事情を年表風に、箇条書きにしたものなど、説明資料があれば、弁護士は非常に助かります。 法律相談は、事実を聞き取る作業と、これに法的評価を加える作業の二つの作業が必要ですが、資料をご用意いただくと、事実を聞き取る作業が短時間ですみます。その分、限られた事件で、より正確な相談が受けられることになります。 5 面談による法律相談の方法 弁護士の知り合いがない方でも、各都道府県に最低一つの弁護士会があります。全ての弁護士会が、会主催の法律相談を実施しています。 地元の弁護士会の電話番号は、104で調べればわかりますし、こちらのページでも網羅的に掲載しています。 相談の方法は、会ごとに違いますので、まずお電話で相談の方法をもよりの弁護士会にご相談下さい。予約が必要な会もあります。また消費者相談、離婚相談など、相談の種類ごとに窓口を分けている会もあります。 一度法律相談を受けていただくと、相談に応じた弁護士と知り合いになることで、次からは直接電話をかけるなどして、相談しやすくなるというメリットがあります。 弁護士には、守秘義務があります。安心してご相談ください。 6 簡単・便利な電話による法律相談のご紹介 また在京の東京・第一東京・第二東京の三弁護士会では、弁護士が無料で電話相談に応じるサービスを行っています。ただ電話による相談ですから、上述のとおり、限界もあって、5分程度の相談に限られせていただいています。 僕も年に何度か電話相談を受けますが、電話を切るとかかるの連続で、ひっきりなしにかかってくる電話に対応するのが大変です。 とても便利ですし、自分の抱えている問題が重要な問題なのか、そうでないのかということを見極める上でも、よい機会だと思います。 ただし欠点は、話中が多いこと。人気があるので当然と言えば当然ですが、無料が取り得、頑張ってかけてみてください。 →テレフォン相談ガイドの電話番号 |