第2次提訴にあたって |
1991年6月12日 |
弁 護 団 紀 藤 正 樹 |
既にお知らせしたとおり、6月12目(万物の日)の第2次提訴によって、「青春を返せ訴訟」に12人の仲間を得ました。当初40人でスタートしたこの訴訟も、いよいよ原告が勢揃いし、これからが本番です。原告の人数は、統一協会に対する怒りのバロメーター。弁護士も更に一層の努力を約束しますので、原告52人各人が、勝訴判決を聞くまで、一致団結して主体的に「青春を返せ」にかかわって行ってほしいと思います。 ところで「青春を適せ」に対するマスコミの対応を見ていると、非常に低調なものを感じます。マスコミは、社会の鏡と言うべきものですから、これが「青春を返せ」に対する社会の見方と言ってもよいと思います。 「元信者たちは自ら進んで統一教会に入ったのではないか」 「いつでも統一教会を脱会できるのに、自ら進んで霊感商法を初めとする違法行為に積極的にかかわったのではないか。」 私たちの戦いは、こういった社会の先入観、偏見を、事実に即して払拭していく過程です。 誰だって、統一協会の巧妙かつ洗練された心理操作(=マインドコントロール)の手法を、全人格的に行われたら、騙されて統一協会に入教し、霊感商法を始めとする違法な活動に加担してしまっても無理はないこと、宗教勧誘にも一定の限界があるはずであって、何が何でも信者を勧誘するために、不実表示等何をしても許されるという統一協会の伝道の在り方は違法であることを、裁判官に理解してもらう過程です。 21世紀は、信教の自由がどこまで許されるのか、信教の自由の限界について世界中で議論が巻き起こる世紀になると思います。これまで信教の自由の限界は、国家も社会も学者も放置して来た領域でした。 「青春を返せ」はこの放置されて来た領域に新たな正義を構築しようとするものです。 従ってこの訴訟の結果いかんは、21世紀の信教の自由の在り方を決めるものとして、日本だけでなく世界の、そして私たちの世代だけでなく子供達の世代の人類に大きく影響を与えることになると思います。私たちは「青春を返せ」のこのような重要な意義に鑑み、社会の偏見を払拭するために最大限の努力をしようと思っています。 弁護団に今後とも暖かいご支援をお願いします。 |